薄毛に対する薬物療法

薬物療法は、大きく二つに分類されます。

抜け毛の原因となる過剰な男性ホルモンを抑制することで、薄毛の進行を抑制する薬剤と栄養を送る血管の血流を促して発毛力を高める薬剤です。

過剰な男性ホルモンを抑制

過剰な男性ホルモンを抑制する薬剤で代表的なものは、プロペシアとザガーロです。AGAの原因は、脱毛を促すジヒドロテストステロン(DTH)です。それを作り出すのがテストステロンという男性ホルモンと、体内酵素(5-αリダクターゼ)です。プロペシアは、これらの結合を阻害することで、脱毛ホルモンの生成を抑えます。

ザガーロは、プロペシアより強力な薄毛治療薬です。プロペシアは、5-αリダクターゼⅡ型のみにしか作用しないのに対して、ザガーロはⅠ型とⅡ型に作用し薄毛を抑制します。そのためより多くの薄毛タイプに効果が期待できます。しかし、プロペシアに比べて勃起障害などの副作用が起こる可能が高くなります。そのため、まずプロペシアを試してみて、あまり効果がなかった場合にザガーロを検討するのがおすすめです。

パントガール

パントガールはドイツの製薬会社により開発され、世界で初めて女性の薄毛に効果が認められた薄毛治療薬です。主にパントテン酸カルシウムやケラチン、シスチンといった栄養素を含み、頭皮に栄養を行き渡らせて頭皮環境を整え薄毛を改善する効果があります。臨床試験が行われ、女性の薄毛に多く見られる、びまん性脱毛症に有効であるという結果が出ています。また産後脱毛などの改善に効果が期待できます。頭皮環境の改善や髪の毛の成長させる成分が多く含まれており、それらが複合的に作用することで発毛をサポートします。また、肌の新陳代謝を助け、シミ予防にも効果的といわれるビタミンB群や薬用酵母、チアミンなどの成分が含まれており、薄毛改善だけでなくスキンケアにも効果的です。

ミノキシジル

ミノキシジルは、動きが衰えた毛母細胞を活発化させて、毛の生成を促します。さらに、毛母細胞に栄養を送る血液の流れを良くして、毛の成長を促します。日本でも外用薬はAGA治療薬として認可されています。

アロビックス

アロビックス液は塩化カルプロニウムを5%配合した塗るタイプの医療用治療薬です。毛根の血行をよくして発毛を促進します。

薬物治療の注意

薄毛治療薬を購入する際に、海外から個人輸入を利用する人がいます。手間が省け、安く済みますが、偽造品が多く、副作用への対応が不十分になりやすいため、リスクが高くなります。医師の診断の基に服用するのが安心です。